自宅ネイルサロンを始める時に重要なのが、その『自宅』についてです。
そこに住む自分自身や家族にとっても、来てくださるお客様にとっても、快適な場所であることが大切です。
今回は、賃貸物件の方対象で記事を書いています!
- 今住んでいる自宅で始めても大丈夫?
- 許可は取るべき?
- 駅から遠いんだけど・・・お客様は来てくれる?
- 物件を探すなら何を重視すべき?初期費用は?
このページでは、こんな不安や疑問を解消できるように、自宅サロンの物件選びや注意点を詳しく解説しています。
こんにちは!自宅ネイルサロン歴10年のもりです!今回は、不動産関係の仕事をしている私の夫に、リアルな意見を聞いていきたいと思います!
初めまして!僕は現在不動産会社で、賃貸物件管理の仕事をしています。賃貸、売買の営業の経験もあるので、プロの目線からお話ししていきます!
- 1軒目は3LDKの賃貸マンションの1室(家賃は駐車場込みで8万円程)で4年間運営。宣伝は一切せず、以前勤務していたサロンのお客様と知人のみの来客で月20万円くらいの売上→出産などを経て最終は月6万円程に。
- 現在の一軒家(持ち家)に引っ越し、自宅ネイルサロンを本格的にオープン。7年目の現在は、二人の子供を育てながら月40〜50万円の売上をキープ。
- 1軒目、2軒目ともに、場所は大阪府堺市の郊外地(大阪市内まで電車で30分)一軒家が並ぶ住宅街には裕福層が多い。車移動が基本のエリア。
では、順番に見ていきましょう。
もくじ
自宅ネイルサロンを始めるための許可
もちろん持ち家の一軒家である場合は、そのまま始めても何の問題もないのですが、賃貸物件の場合は、注意しなければいけない事があります。
賃貸物件や分譲マンションには、必ず管理規約というものがあります。
居住用として契約している物件で、事業を行うことは基本的にNGとなります。
今住んでいる賃貸物件で、「自宅ネイルサロンを始めたい」と家主さんに交渉して、OKをもらえる可能性はかなり低いと思って下さい。
そもそも事業用と居住用って何が違うの?
事業用として登録する物件には、毎月の家賃に消費税がかかります。
また、居住用物件に比べると、火災保険の金額も上がることが多いです。
消費税がかかることで、物件オーナーは消費税の納税義務が発生するんですね。
居住用マンションで事業を許可することで、物件オーナーは、「他にも事業用で貸しているところはないか?消費税の納め忘れはないか?」と税務署から1件1件調べられる可能性が出てくるんですね〜。これがオーナーは面倒なんですよ。
あとは単純に、近隣住民とのトラブルになるのを避けたいっていうのもあって、事業を許可してくれる居住用物件は少ないんです。
内緒で始めた場合、どうなる?
内緒で自宅ネイルサロンを運営していることが発覚した場合は、規約違反で強制退去となる可能性が高いです。さらに最悪の場合、違約金を請求されるケースもあります。
う〜ん・・・やっぱり、バレちゃうものなん?
バレるケースとしては、不特定多数の人が出入りしていたり、例えば薬品などの匂いを不審に思った近隣住民とのトラブルや苦情から発覚することが、可能性としては一番考えられるかな。
じゃあ絶対引っ越しせな、自宅ネイルサロンは始められへんってことなん?
私は自宅サロンを始める前提で物件探したけど、今住んでる家で始めたい人も多いと思うねんけど・・・。引っ越しってお金もかかるし・・・
例えば看板もあげずに、どこにも住所も載せずに、知り合いだけを呼んでするっていう形の自宅サロンやったら、発覚する可能性は限りなく低いと思うよ。
それでも万が一何かがきっかけで発覚した場合は、前に書いてある事になるからオススメは出来へんけど、多分この規模やったら、内緒でやってる人はいっぱいおると思う。
看板もあげられない、住所も載せられない、となると呼べるお客様は確かに限られてきます。
きちんとサロン運営をしていきたいと考えるなら、事業用として契約し、堂々とする方が結果的には素敵なサロンになりそうですね。
事業を許可しているマンション等の賃貸物件は、郊外より圧倒的に都会の方が多いです。
また居住用であっても、家賃がとても安いような、住み手がなくてオーナーが困っている物件だと、交渉次第でOKがもらえるかもしれません。
同じ賃貸でも、マンション等の集合住宅よりは、戸建ての方が許可される可能性が上がります。
自宅ネイルサロンの場所選び4つのポイント
家族で快適に暮らし、理想の自宅ネイルサロンにするために、どの地域で始めるかはとても重要です。
場所を決める上で大切なことをまとめました。
- まずはお客様のターゲットを絞る
- 譲れない条件、妥協できる点を明確にする
- 都会or郊外?駅近でないとだめ?最適な場所とは
- 地域の治安を調べる
①まずはお客様のターゲットを絞る
どんなお客様を呼びたいかを明確にしておくと、そのお客様が住んでいる所、また来店しやすい所を絞り込むことができます。
自宅ネイルサロンの物件を探す上で、最も重要と言っても過言ではないので、必ずここを明確にしておいて下さい。
②譲れない条件、妥協できる点を明確にする
呼びたいお客様のターゲットが決まったら、自分の生活環境や、家族の生活環境等を考慮し、絶対に譲れない条件を決めて下さい。
私の場合はこうでした!
譲れない条件
- 〇〇駅限定(ターゲットのお客様が住む富裕層の多い住宅街エリア)
- 子育てを手伝ってくれる親のそば(まだ子供はいませんでしたが今後を見据えて)
- ペット可(犬を飼っていたため)
- 2L DK以上(3LDKのマンションに決めました)
妥協した条件
- 駅近(駅から問い代わりに、バス停がある場所にしました)
- 駐車場込みで家賃7万円以内(結局8万800円のところに決めました。それでも郊外なので大阪市内に比べると半額以下ですね。)
条件が多すぎて、妥協をしてもヒットした物件はたったの2件!モタモタ悩んでいる間に結局1件になってしまった・・・。家賃の予算オーバーは痛かったなぁ・・・
理想を全て実現する完璧な賃貸物件はないので、条件の優先順位を先に決めておくことは大切です!
③都会or郊外?駅近でないとだめ?最適な場所とは
都会と郊外地には、それぞれメリット、デメリットがあります。
駅近か駅遠でもほとんど同じことが言えますので参考にしてみて下さい。
都会のメリット
- 人が集まるので様々な層の集客しやすい
- 事業可の物件が多い
- お客様用の駐車場を借りる必要がない
都会のデメリット
- 家賃が高い
- 激戦区で価格競争が起きやすい
- 世の中の情勢による影響を受けやすい
新型コロナウィルスで、外出自粛やテレワークが進み、実際に大阪でも市内の中心部はたくさんのネイルサロンが閉店に追い込まれてん・・・
郊外地のメリット
- 家賃が安い
- 車の所有率が高く、家賃の高い駅近にこだわらなくて良い
- 地域密着の運営が出来、世の中の情勢による影響を受けにくい
実際私の自宅サロンは、コロナ禍でも売上が落ちなかったどころか、テレワークで都会に出社しなくなった人が流れてきて、新規のお客様が増え、上がってました。
郊外地のデメリット
- 事業可の物件が少ない
- 車での来店率が高くお客様用の駐車場が必要
様々なメリット、デメリットを理解した上で、サロン運営だけでなく、もちろんこの先家族が暮らしやすい、子育てがしやすい事も重要視しながら選ぶ必要があります。
正直、都会や駅前の方が、僕たちも条件に合う物件は見つけやすいのが本音です。郊外地は賃貸物件自体少なくて、その中で「自宅ネイルサロン始めたい」ってお客様が来たら内心「見つかるかな〜」って焦りますね。勿論一緒王懸命探しますが。
④地域の治安を調べる
住みたい地域の目星がついたら、その地域の治安をしっかりと調査しましょう。
不動産の担当者に聞けば教えてくれますよ!
基本的に、土地の価格や家賃が安い程、治安は悪くなります。(勿論良い人もいっぱいいるんですけどね・・・)実際に住民トラブルは、家賃が高い物件より安い物件の方が圧倒的に多く起こります。
自宅ネイルサロンを運営していく上でも、近隣住民とのトラブルは絶対避けたい所です。
例えばもし富裕層のお客様をターゲットにしたいなら、その辺りも重視した方がいいですね。都会でも郊外でも、どこのエリアでも治安の良いエリア、悪いエリアが必ず存在します。
同じエリアでも、一駅違うだけで、住んでいる人の層は全然変わるものです。
住みやすく、来てほしいお客様のイメージに合うかどうか、しっかり検討して下さいね。
施術に使う部屋の2つのポイント
自宅である以上、多少の生活感が出てしまうのは避けられませんが、お客様にはなるべく隠したいところです。
リビングで施術している自宅サロンもありますが、施術専用の部屋を1室つくることを強くオススメします。
リビングは家族団欒の場所であるため、生活感を消してピカピカに片付けておくのは大変だし、何よりネイルの施術はダストもかなり出るので、家族へのストレスにも繋がります。
私は以前、リビングで施術をしている自宅エステサロンに少しだけ通っていたことがあります。
とても綺麗にされていたのですが、飾られた家族写真や、子供のおもちゃ、キッチンなど生活感が丸見えで、「あんまり見たらあかんよな」と目のやり場にも困り、あまり寛ぐことが出来ませんでした。
もちろん気にしないお客様もいると思いますが、こんな人もいるということですね。
オススメの間取り
家族構成によって必要な部屋数は違うので、今回は施術部屋とトイレの位置についてのオススメです。
こちらは、私が一度目の自宅サロンをしていた時の、実際の賃貸マンションの間取り図で、印のしてある所が施術部屋とトイレです。
特に特徴のない、マンションによくある間取りです。
オススメの点はただ2つ!
- 施術部屋は玄関から入ってすぐの部屋
- トイレは他の部屋を経由せずに行けること
です!
これなら玄関さえ綺麗にしておけば、お客様に生活感をあまり感じさせずに「誰かのおうち」ではなく「サロン」にお通しできます。
この間取りのように廊下を挟んだ先にリビングがあれば、リビングに家族がいたとしても話し声は全く聞こえてきませんでした。
トイレも廊下にあったので、他の部屋を見られる心配も、お客様に変に気を使わせる心配もなく、私も快適に自宅サロンを運営することが出来ました。
必要な施術部屋の広さ
上の賃貸マンションの時は、施術部屋の広さは4.7畳でした。
特に何の問題もなく十分な広さで、フットネイルの施術も快適に出来ていました。
なので、これより少し狭くてももちろん出来ますが、4畳前後あれば理想的、というところです。
ショッピングモールの一角の、1畳くらいの極狭なスペースでやっていたネイルサロンで働いた経験があります(笑)
狭くて快適ではなかったけど、デスクの下に潜り込んでフットネイルもやってたし、めっちゃ忙しい人気サロンやったな〜
ほんまに狭くて私は文句ばっかり言ってたけど(笑)最悪そのくらいあれば、出来るってことを言いたかってん。オススメは出来へんけど・・・・
物件が決まったら、初期費用はいくらかかる?
地域によって、家賃や補償金(または敷金、礼金)の設定が全然違いますが、ここは参考までに、実際に私が契約した賃貸マンションの初期費用を公開します!
ちなみに、この当時夫はまだ不動産関係の仕事にはついてなかったよ〜
- 1ヶ月分の家賃・・・・・・・8万700円
- 敷金・・・・・・・・・・・・10万円
- 礼金・・・・・・・・・・・・15万円
- 保証会社初期費用・・・・・・4万円
- 火災保険料(2年分)・・・・2万円
- 仲介手数料・・・・・・・・・7万5千円
合計 465700円
改めて見ると、結構いるんやな〜。引っ越しするのも勇気いるわ…..
もちろん、敷金礼金がゼロの物件もあれば、これより高い場合もあるよ。
仲介手数料を取れへん不動産会社もあるし、その辺りは物件や地域で全然違うから・・・まあこの地域ではこの金額が妥当な相場やな。
なんとかもうちょっと安くなる方法ないかな〜?
物件のオーナーが応じてくれるかは分かれへんけど、家賃や敷金の減額の交渉に行くことはあるよ。長く空き部屋やった物件とかは応じてもらえることもあるし、逆に人気物件では難しいかな。
あとは仲介手数料がゼロやったり、安い不動産会社を探すか、ってなるけど、これはさっきも言ったけど地域によって違うから、そこは調べてもらうしかないけど・・・・
最後に
自宅ネイルサロンは、その一つの空間の中で、家族や自分の生活を大切にしながら、一人の人間として自立し、自分らしく働くことが出来る空間です。
その分、こだわりたい事、予算・・・色んな悩みが出るのは当たり前のこと。
でも、どんなに探しても完璧な物件は存在しません!
どうしても譲れないことと、ここなら妥協しても良いという点を決めて、納得のいく物件に巡り合えると良いですね。
人も、家も、その時ご縁があるものとしか出会えません。
どうかこの記事を読んでくださった方に、素敵なご縁がありますように・・・。
良い仲介業者を見つけてくださいね!親身になってくれる人、必ずいるはずです!
あ、まだおったんや(笑)
最後まで読んでくれてありがとう!ほな、またね〜!